結果を出す人の「飲み会」の流儀
同じ夜は二度と来ない。
酒席では、終わりが良ければすべてよしとはなりにくいですが。
終わり悪けりゃすべて悪いことはよくあります。
けれども、先述したように、酒飲みでは基本的に、ロマンティックな人が多いので、エンディングは演出しがいがありますよ。
お互いの心に残る素敵なシーンにしようではありませんか。
まず、マインドセットしましょう。
終幕のタイトルでもある、「また会いたい」と思わせるにはどうすればいいのかを、自分に置き換えて考えてみてください。
今宵がとても楽しかったからというのは当然のように思いつくことでしょうが。
さらに、強く思わせる方法があるのです。
異性に置き換えるなら、ちょっとでもいいなくらいだったのを、超気になるですけどぉと執着させる技です。
それは、真逆のスパイスを投じることです。
そう、「もう会えないかもしれない」と思わせるように仕向けるのです。
そうすると、相手は「え、もう会えないの、なんでなんで」と心が揺さぶられる。
もし、みじんも感じさせてもらえないとしたら、今宵の舞台の出来は良くなかったということで、
反省会をしなくてはなりません。
もっとも、それもまた大事なことです。
私も反省会は数えきれないくらいしてきたからこそ、今があると思っています。
著者は銀座のクラブにいて、分かれはある日突然やってくるのだという現実を何度となく味わいました。
いつもと変わらない様子で、楽しくお酒を飲んでいた社長さんが、
別れ際にふとさみし気な表情になり、話し出すの
「実はね、もう銀座で飲めなくなったんだ。会社がまわらなくなっちゃってね。今夜はお別れをいいに来たんだよ。世話になったね、ありがとう。」
クラブに来れないとしても、たまにどこかで飲もうよと言っても、男の世界はそういうものではないのだそう。
可愛がっていたホステス、スタッフが突然来なくなってしまうことなんて、日常茶飯事。
経営者や有能なビジネスまんでも、病を付したり、命をたってしまう人がいます。
毎晩、たくさんのお客様をお迎えしたら、めまぐるしく時は過ぎていくので、つい気持ちがおろそかになってしまうことがある。
お会計は決して安くないのに、お礼もほどほどで、お見送りが間に合わなかったけれど。
またすぐに会えるから、まぁいいか。
明日、電話でゆっくり話そう、などと話してします。
私自身、お酒に飲まれて、別れ際の記憶がないなんてこともありました。
人は、今、この瞬間が最後だと知ったらきっと、全然違う別れ方をしようとするのではないかと思います。
心のどこかに常にそういった考えをもっていることは、エンディングだけでなく。
人との出会いからすべてに違った影響を与えるような気がしてなりません。
一期いちえい、もう、これで会えないかもしれないと思うと、何かが変わります。
また、次に会う約束をしたとしても、この瞬間は、今しかなくて、同じ夜は二度と来ないのです。
そして、未来のことは誰にもわからない。