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読書

大人のアスペルガー症候群

大人になってからアスペルガー症候群に気がつく人もいる。

最近、「発達障害」という言葉が注目されてきています。

発達障害とは、脳の機能障害によって認知や行動に独特の特性が現れる障害です。
しかし、本当の大変さはなかなか理解されていないようです。

発達障害とは、3歳前後からそうの特性=障害が現れてきますが、特性は大人になっても治ることもありません。
発達障害には、自閉症、アスペルガー症候群、ADHD、LDなどがあります。

アスペルガー症候群とは、自閉症の特性を持ちながらも言葉の遅れや、知的遅れがないことが多く、特に大きな問題を起こさない限り、
子供の時に見過ごされてしまうこともありました。
しかし成長するに従い、その特性によって周囲の誤解を招いたり問題になったりすることも多いようです。

自閉症スペクトラムは、大きく3つのタイプに分かれます。
⓵積極奇異型
知らない人に話しかけられたり、なれなれしく話しかけたりする。

⓶受け身型 自分から積極的に接することはないが、誘われれば付き合う。

⓷孤立型
他人とかかわるより、一人でいることを好む。

子供の頃は⓵のタイプが多く、成長するにつれて⓶や⓷に変化していくケースもあります。
いずれもトラブルの元になるが少なくない。

大人になれば問題が増える。

アスペルガー症候群の人は、子供の頃や学生時代には「頭がいいけどマイペースな子」「少し変わった子」と思われていても家庭や学校が守ってくれます。知的な遅れがないために、学生時代までは、ある程度は周囲の状況に合わせることが出来るようになる場合もある。

また、得意な科目について抜群の成績をあげたり、試験勉強を苦にせず、何時間も机に向かっていても平気だという子供もいます。
中学生ぐらいまでは、たとえ友達が少なくても、親から見れば「今は勉強も良くするしそのうち友達もできるだろう」と
特性=障害を見過ごされてしますこともある。

しかし、せっかく大学に進学したのに、論文が書けなかったりして卒業出来ない人もいる。
アスペルガー症候群の人は、暗記型の受験勉強は得意でも共同作業や自分の研究成果をまとめて論文を書くことができないというケースも多いようです。

また、有名大学を卒業し、採用試験も優秀な成績で入社したのに「使えない人」という烙印を押されて退職させられたり、
職場を次々と変えて渡り歩くといった人もいるようです。

30歳を過ぎて診断される場合もある。

成長するに従いトラブルが大きくなっていくと。何となく「自分はどこか他の人とは違うようだ」「生きづらい」などと感じて
来るようです。

その結果、人と関わることが怖くなり「うつ」や「引きこもり」状態になってしまうケースもあります。

最近は、アスペルガー症候群という言葉が認知されてきたこともあり、「心当たりのある人が精神科」などの門を叩く例もあるようです。30歳を過ぎてから「アスペルガー症候群」と診断され初めて自分の特性と向き合うことができたという人もいます。

アスペルガー症候群などの発達障害の診断は、なるべく早い段階が基本です。
もし、「アスペルガー症候群」の特性が気になったら、次のページからの「大人のアスペルガー症候群・場面チェック」で確認してください。

社会のルールを守ったり、人との関係性を持ったりするのが苦手。

20歳を過ぎても大学の先生や勤務先の上司に対して、同い年の友達のような口をきいて怒らせてしまったり、誰でも
理解している社会の常識やルールを知らずに平気で破ったりすることがあります。

周りからは非常識でわがままな人と見られてしまいがちですが、本人にはまったく悪気が無い場合が多い。

そもそも人と同じように行動したり、人の気持ちを配慮するという意識が沸かない場合も多い。
こうした社会意識に対する低さを社会性の特性といい、アスペルガー症候群によく見られる特性です。

よく話すのに、会話が成立しない。

アスペルガー症候群の人は子供の頃から言葉の遅れがないために話好きな人も多くいます。
しかし、その会話=コミュニケーションに独特の特性が出てきます。

例えば、好きなゲームや話題について話し出すと、止まらなくなることがあります。
周囲の人がゲームの話に興味があろうが無かろうが話続けます。
相手が話題を変えようとか止めようといっても話し続けることもあります。

このように一つのことにこだわることからシングル・フォーカスとかモノトラックなどと言われることもあります。

こうしたコミュニケーションの特性の為、職場で仕事が始まっても話を止めなかったり、上司や同僚のいうことを聞かずに孤立してしまうこともあります。
本人はわがままだと感じていないので、話して良い時間と別のことをする時間をしっかり伝えたり、人に合わせることを教えてあげることも重要になってきます。

こだわりが強く、想像力に乏しい

アスペルガー症候群の人は、一度決めた手順やスケジュール、規則などに強くこだわる傾向があります。
突然の変更や中止が決まっても対応できずにパニックになってしまうこともある。

これは、次の展開を予測したり、想像したりすることが苦手な特性の為です。

子供の頃は、親や学校の先生から前もって翌日の変更事項を教えてもらうことで、ある程度の対応が出来ていたかもしれません。

しかし、社会に出れば、仕事の変更や時間のスケジュールの変更などが日常茶飯事になることがあり、社会生活を送る事が困難になってしまうケースもあります。

一方で興味のあることには何時間でも集中して取り組み、大きな成果をあげたり、手を抜かずにきっちりやり遂げて職場で認められるケースもあります。

なぜ、アスペルガー症候群/発達障害になるのか。

発達障害は育児や環境のせいではない
発達障害は生まれつきの障害で、脳の機能に何らかの先天的な不全があると考えられています。
例えば、人とのコミュニケーションがとりにくい、人と目が合わせられないといった症状は、脳の機能的な障害が原因で起こってくるのです。

発達障害は、最近まで原因が良くわからなかったため、親の育て方、本人の性格、生活環境のせいだなどど思われていたことがありました。また親の方も、自分たちのしつけや愛情の注ぎ方に問題があるのではないかと悩み、自身を責めて苦しんだりしてきました。

しかし、そのあと、その後の研究や観察の結果、現在は多くの専門家発達障害

自閉症スペクトラムという考え方

特性の現れ方は人によって違う。
自閉症を診断する際の目安の一つはコミュニケーションが取れるかどうかですが、障害の程度の重い人は名前を呼びかけても答えませんし、一言も言葉を発しません。
しかし、障害の程度が軽い人は、自分から友達に話しかけて、関わりを持とうとします。

同じことを反復したり、相手の話を聞かず一方的に話すなど不適当な点が多い。

また、常同行動(同じ行動をとること)についても障害が重度の人は非常に目立ちますが、軽度の人はほとんどないか。
あってもごく稀です。
同じ自閉症でも、障害の程度によって大きな違いが見られます。

自閉症の約80%には知的障害があり、読み書きなどに関する能力に発達の遅れが見られます。

しかし、それ以外の約20%は知的な遅れを伴いません。このような自閉症タイプがアスペルガー症候群/高機能自閉症です。
アスペルガー症候群は知的には正常もしくは、正常範囲を超えて発達し、言葉はむしろ早熟です。
しかし、含みのある言葉や回りくどい表現をするのは不得意で、社会性の問題、こだわりの強さといった点で自閉症と共通しています。

自閉症を大きな枠組みでとらえる新しい考え方、障害の重い人軽い人では、同じ自閉症・アスペルガー症候群とは思えない
ほどの違いが見られます。
アスペルガー症候群と高機能自閉症の区別をしない専門家もいますし、
区別は必ずしも容易ではありません。

また、学習障害やADHDと自閉症も一部の特性で関連しあっているため、ADHDだと思っていたのが後にアスペルガー症候群・高機能自閉症であることが分かったいうような例もあり、区別する診断はとても難しいのです。

そこで、近年、自閉症を単独の障害としてみるのではなく、ほかの発達障害を含めて大きな枠組みの中でとらえる考え方が出てきました。この考え方を「自閉症スペクトラム」といいます。

スペクトラムとは「連続体」という意味です。
自閉症や自閉症と関連のある発達障害をそれぞれ個別に考えるのではなく、重なり合う連続したものとして扱うのが自閉症スペクトラムです。このようなとらえ方をすることで、障害名にこだわることなく。一人、一人に現れている特性を観察し、それをもとにきめ細やかなサポートを提供することが可能になる、という考え方です。

同時に二つ以上することが苦手。

二つのことを一つずつに分けて作業させる。
私たちが日常的にしている電話で話しながらメモを取るということは、同時に二つの作業を何気なくやっている行為です。

ところがアスペルガー症候群の人は、こうした複数の情報を同時に処理することが出来ずに、どちらか一方をすることに気をとられてしまうことがあります。

例えば、職場の上司に「電話で苦情があったら、相手の名前と内容をメモに取って私に報告しなさい」と指示されても、相手の
名前しか憶えていても名前を忘れていたり・・・あるいは一切メモを取らなかったりしてしまします。
これは、不注意というわけではなく。特性の一つなのです。

こういう時は、まず、「電話があったら、すぐに〇〇さんに代わってください」と一つだけ指示を出します。
アスペルガー症候群は、言葉からの情報よりも文字からの情報が理解しやすい人が多いようです。
職場内の注意点や仕事のことは、メールでやり取りをすることで仕事のトラブルが減少する場合もあります。

特定の作業が苦手な人には作業を簡略化する。

二つの作業を同時に進めることが苦手なので、仕事をしながら話を聞くということもできません。
アスペルガー症候群の人は、その特性から極端な場合が多いのです。

失敗しているのに無理にやらせようとすれば深く傷ついたり、周りから笑われたことで職場に行かなくなってしまう場合もあります。

作業を一つずつ進めるようにしたり、時間を区切って作業内容を分けたりすること、なるべく仕事の進め方を簡略化してあげると、負担は少なくなります。

長時間でも集中力が持続する。

好きなことには集中力を発揮する。
歴史に名を残した天才や芸術家の中にもアスペルガー症候群だったと思われる人は大勢います。

得意な分野や好きな学習に対しては長時間でも続けることが出来ます。
小学校に上がる前なのに、年長の兄弟より早くパソコンの操作が出来たり、1度しか聞いてない曲をすぐにピアノで弾いたりする子供もいたり、好きなことに対しては強い集中力を発揮します。

また、知的発達や言葉の遅れが無いので、図書館から借りてきた難しい本を一気に読んでしまったり、その内容を驚くほどに記憶していて、親に何時間も説明することのできる子供もいます。

特性に合った仕事を探す、選ぶ
誰でも好きなことをやっている時は時間がたつのを忘れるものですが、特にアスペルガー症候群の人は、特性のために同じことを長時間続けることが苦にならないのです。

特性を考慮した学部や大学を選べば、研究者として活躍することが出来ます。
また、コンピュータが好きな子供だったら専門学校に進み、IT関連を目指すのも良いでしょう。

こだわりが強いので、設計図のトレースの仕事を任されたりすると、大いに力を発揮します。
また自分が納得したことは単純作業でも手を抜かないので、レストランの厨房で活躍している人もいます。

大切なことは、特性のマイナス面を気にするよりも、得意な分野を伸ばせる職場を探し、選ぶことです。

家族の理解が何よりも大事

なぜ、家族が特性を理解しないのか。

アスペルガー症候群と診断されても学生時代には成績もよく、大きな問題を起こすこともなかった人もいます。
ところが、成人してトラブルが続いたり、就職に失敗したりすると、家族から「やる気がないからだ」とか「気持ちが弱い」などと
言われてしまうと訴える人が意外に多いのです。

「大人になったのだから改善する」などと、誤解している場合もあります。
いずれにしても一番身近にいるはずの家族の理解と支援を得られないと、本人にとっては逃げ場がなくなってしまうことになります。




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